こんばんは、吉田けいすけ(北区議会議員)です。
今日は塾の夏期講習で教鞭をとっていたのですが、子どもから聞かれるあるあるの質問の一つが、
「勉強って将来なんの役に立つの?」
です。保護者の方や先生方も、答えにつまってしまったご経験があるのではないでしょうか。
普段僕は「やってから聞け!」が基本スタイルです。
しかし今日は、「中学校の知識が仕事でどう役になっているのか」子ども達にお答えしようと思います!
国語
読解・漢字・熟語
この写真は、北区の条例の一部です。

これほど意味が分かりにくく、熟語に満ちた文書と格闘しなければなりません。
一般に、行政文書は正確を期しているうえに、独特の形式があるため、意味が分かりにくいものです。
読解力があり、熟語を知っていないと仕事になりません。
作文
この写真は「一般質問」の質問事項一覧です。
本会議で区長をはじめとした区の職員に、区民の代弁者として区政の運営に関して質問をする機会が、本会議での一般質問です。
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これらの項目を質問しますよ。という通告文書ですが、この話題について20分間質問を行うことができます。だいたい3000字程度の原稿になります。
聞いていても分かりやすく、かつ説得力のある文章を作らなければなりません。
作文力も必須です!!
数学
こちらは北区の土地利用割合と、歳入歳出の科目の割合を示した表です。

グラフや表の読み方そして数に強くなければ、このデータを批判的に見て、改善につなげることはできません。
数に対する感覚を身に着けるには、しっかりと数学を学ぶ必要がありますね。
英語
英語はほとんど使っていない…
ですが、海外の姉妹都市との交流もありますし、駅頭をしていると外国の旅行者の方に道を聞かれることもあります。
堂々と日常会話ができる程度は身に着けておきたいですね。
社会
おそらく、5科目の中で最も使っています!!
地理ですと、例えばこのような防災ハザードマップがあります。

これは、万が一荒川が氾濫した時の浸水域を示しています。これは地形によって決まるのですが、浸水域を考えて避難所や病院などの救護施設も機能できるように配置しなければなりません。
地図とにらみ合い、地形と土地利用を吟味するという仕事は、フルで地理の知識を使います。
歴史は、直接的には使っていませんが、過去どのようなことがありどのような結果になったのか知っておくことは、一つの判断基準になります。
さらに、どのように日本が成り立ち、経過をたどり今に至るのかは政治家として必須の知識だと思います。
公民は使い過ぎていますね(笑)
憲法、法律、条令、議会や行政、裁判所のしくみから経済や現代社会は一通りは知っておかなければなりませんし、これらの制度を批判的に見ることは必要な仕事だと思っています。
そのためにも、しっかりと社会のしくみを学んでおく必要がありますね。
理科
正直に申し上げて、ほとんど使っておりません。
「政治はサイエンスにあらず、アートなり」という陸奥宗光の言葉がありますが、使っていません。
しかし、技術革新のスピードに政治の世界がついていっているかといえば、遅れすぎているのが現状です。
政治家ならば科学技術の知識のベースぐらいは知っておかなければ、我が国の研究開発、技術革新の分野の発展に何もなすことができないのではないでしょうか。
実技科目
政治活動は体力勝負なところがあるし、
音楽では腹式呼吸ができた方がよい演説ができるし、
文化芸術振興を考えると、美術や音楽にも一定の理解を持つべきだし、
保健や家庭科は家族や日常生活への考え方を考えるにあたり、無関心とはいかないし、
看板つくったり、ポスター貼ったりはもはや技術だし、
どれも欠かすことができないと思います。
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これらは中学生への教育的な意味合いよりも、本当に仕事で中学の勉強を使っているかを検証してみた結果です。
想像以上に使っているなというのが本音でもあります。
学生の皆さんは、今やっている勉強は、直接仕事で活きることもあるし、自分の仕事や可能性の幅を広げることに繋がると思っていただけるといいかな!
僕はもっと勉強しておけばよかったと、いつも思います。
それでは、また。