公立保育所のICT化推進事業について <広島県尾道市視察>

北区

先日、枚方市に続き広島県尾道市に視察に伺った。

同市では、妊娠期から子育て期までを切れ目なく支える「尾道市スマート子育て」を標ぼうし、子育て中の各時期に合わせた行政サービスを、ICTを活用することで届けていることが分かった。

ICTを活用することで、コロナ禍で対面でのサービスを届けにくい状況でもサービスを届けることに成功し、また、それは同時に現場職員の働き方の改善にもつながっている。

妊娠・出産期には、おもはぐ(母子モ)を導入し、母子手帳の電子化や、予防接種、定期健診、自治体の子育て情報を配信している。

家庭内保育期には、尾道市独自のオンライン子育て支援システム「キッズWeb☆尾道」を導入。我が子に合った子育ての専門家の情報が欲しいというニーズに応えた情報配信や、家事や仕事に集中したい際に利用できる、支援センター員と双方向の発達支援を提供している。

同サービスは事前予約制であるものの、昨年度は1000回以上の実施実績があるという。クッキングもでき、保護者が事前に食材を準備することで、お月見団子、カップケーキ、スイートポテトなどを作った事例もある。集中力が続く15分を基本として、オンラインで子どもの発達支援を助ける取り組みである。

就学前教育・保育期にはCoDMONを導入。お知らせ配信、保護者連絡、アンケート、登園管理、日誌、連絡帳機能を搭載し、保育士業務を省略化。こどもと向き合う時間を確保した。

区立幼稚園、小学校、中学校で導入している珍しい事例でもある。小学校、中学校では導入間もないが、出欠、保護者との連絡、配布物など保護者とのコミュニケーションツールとして利用しているという。業務の効率化と共に、保護者とのコミュニケーションの円滑化を実現している。

 

このような取り組みを進める上で、幼稚園では行政のLG1対応のシステム、小中学校は外部インターネットとシステムの違いを乗り越え、情報セキュリティ上の課題を丁寧に解決していったと思う。

また、取り組みを進めていくにあたり実証実験をし、そのの結果教員の意識変化を引き出した。当初反対の立場だった人も、便利で業務が改善できるなど好意的な受け止めに変化したという。

今後の課題として、ICTの使い方に教員の個人差があり、月に一回使い方の情報共有をおこなっているという。

また、キャッシュレス決済の導入を考えており、現在の口座振替から電子マネーの決済ができないかと考えている。延長保育、一時保育など現金集金を電子マネーで決済することで、口座振替で課題となる未収金を解決したいと考えているようだ。

また、オンラインでの読み聞かせをする場合、著作権が絡み、読み聞かせる本が限られているという。

財源として、ICT化を強く推進していこうと取り組んでいたところ、地方創生金などが活用できたようだ。これも参考になる事例である。

多くの市民で賑わっていた新築の市庁舎には、キッズスペースや、議場の個室傍聴席も配備されていた。

観光産業で栄える尾道市の、子育て世帯への政策に対する熱意を隅々から感じることができた。

日本遺産の尾道水道の目の前にある庁舎は、綺麗なだけでなく、子供からお年寄りにまで配慮されたつくりで同市の姿勢が感じられました。また、展望台は夜8時まで観光客等に開放されており、尾道水道を一望できるスポットとなっています。

駅前から1km以上続く商店街は、個性的なお店に惹かれました。歴史ある趣のある建物をリノベーションして、新たな個店が入っており、チェーン店の出店などで個性が失われがちな昨今の商店街とは一線を画した面白い場所です。