教員の働き方改革について <大阪府枚方市視察>

教育

先日大阪府枚方市へ文教子ども委員として視察に伺った。

同市では、「教職員が元気な学校は、子ども達も元気な学校」をスローガンに、教職員の働き方改革に取り組んできた。

教職員のおよそ78%が仕事にやりがいを感じている一方、教職を志す学生に教員の仕事を勧めたいと考える割合は34%に留まった。この差が生じる要因の一つが長時間労働など働き方に課題があると考え、改革を進めた。

当初、働き方改革について、現場の教員は上が考えることと、市教委では教育の質が落ちるのではないかとの懸念があった。そんな中で、現場の教職員と市教委が協力して改革を実現できた要因として、以下の二点を上げる。

一つ目は、業務改善推進校を立候補制で募った点だ。各学校の管理職や教職員が自ら手を上げた10校が選ばれ、業務アシスタントを派遣する代わり、主体的に業務改善に取り組むことがミッションとして与えられた。

実施した市教委の狙いは、「各学校の働き方に関する課題を見つけ、校長裁量で改善できるところから実施する」ことにある。やる気のある学校に率先して改善事例を作らせ、そのうえで市教委が中心となり推進校の事例を集約、他校に共有すると共に、学校同士でも情報共有の場を作ることで改革を一部の学校にとどめず、全校的な広がりを実現した。

二つ目は、働き方改革の取り組み方について、どこから手を付けてよいのか分からない初期に、外部の研修講師に依頼し、全校の教職員有志に対し働き方改革や業務改善についての研修やワークショップをおこなった点だ。予算の関係上合計4回の開催だったようだが、この取り組みによって、研修を受けた教員が各々の所属する学校で改革を実践する糸口を作った。

この二つの取り組みによって、現場の改革は大きく進んだが、学校の改革には地域の理解と協力が不可欠だ。同市でも当初に勤務時間外の電話対応を控えるように保護者等に依頼したところ多くバッシングがあったようだ。急激な改革は反対も生む。これらに対し粘り強く説明を続けていくと共に、上記の研修やワークショップに地域の人にも参加してもらい学校の課題を共有した。また、ブログなどで積極的に情報発信をおこない、市教委の考えを周知していった。その結果、理解を得つつ改革を進めていくことができた。

同市が改革を進め数年した現在、新たな気づきや取り組みをおこなっている。

働き方改革がとても進んだ学校と、そうでない学校を比較し、改革には管理職の労務管理意識が鍵だと分かった。管理職の意識改革が重要ということだ。これについて、教職員に対しストレスチェックをおこない、意識、環境の改善を促した。重要な調査結果の一つを補記したいが、同僚性が高いと業務責任などのストレスが軽減されるようだ。

同僚性を高めるためには、様々な課題に対する職員同士の対話を促し、お互いに気を遣わず意見出しができる環境をつくることだ。ストレスチェックの結果をオープンにし、課題に対し意見を出してもらい皆で改善していくという使い方も良いとのことだ。

その他の取り組みとして三つを紹介したい。改革事例をまとめた冊子を各学校で回覧し、興味のある項目にコメントを残してもらう。多くコメントのついた改革に取り組んでいくなど、同僚性を高めつつ、働き方の改善をおこなっている。また、当初は外部講師に委託していた研修を教員がおこなう。教員の指導力、専門性向上のために毎月一日は4時間授業とし、残りの時間は授業研究時間に充てるなどしている。

同市の取り組みは、働き方改革=ICTと考えていた私の考えを根本から変えた。同時に、中途半端なICT化は事務量を増やす場合もあることが分かった。

熱意ある人材が、熱意を持って周囲を巻き込み、悩み、人の意識を改革した結果、改革が進んだと考える。

枚方市駅前は、おしゃれな蔦屋書店があり、周辺には公園、ショッピングモール、そしてそれらが遊歩道で繋がっており信号を渡らずに移動できる素敵な街でした。